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「オトナの社会科見学in香港」食事会@名人坊

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名人坊(Celebrity Cuisine)は『米芝蓮指南(ミシュランガイド)』で二つ星という話題性のあるレストランです。
残念ながらミシュランガイドは参考にするだけで基本的に信用していないので、この店を訪れるのは初めてです。
昼だというのに照明を少なくしているのは、「いかにも欧米人好みの隠れ家レストラン」という演出でしょうか?
私を含めてブロガーにとっては写真を撮りにくいという点で厄介な店です。

今回の昼食のために特別に用意されたメニューはこちら。
✣餐前小食
 ✢香煎蘿蔔糕
 ✢蝦春巻
 ✢蟹子燒賣
✣瑶柱節瓜排骨湯
✣燕窩醸鳳翼
✣豉椒炒肚尖
✣紅焼蘿蔔牛腩煲(焼き大根と牛すじの煮込み鍋)
✣脆皮妙齡鴿(子ハト焼き、クリスピー子ハト)
✣家郷蒸龍躉腩
✣富哥招牌炒飯(フーズキッチン特製チャーハン)
✣上湯浸時蔬(スープ季節野菜)
✣合時甜品
日本語はグランドメニューに記載のあった日本語の表記です。
実際に運ばれてきた順序で紹介します。

✣瑶柱節瓜排骨湯
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干し貝柱と節瓜とスペアリブのスープ。
例湯(日替わりスープ)にありそうな優しい味のスープです。
この種のスープは大好きです。
惜しむらくは食器がわずかに欠けているということ。
金を使ったいかにも高そうな食器でも、欠けているのは高級店を自認するのであれば問題です。
そのくらいなら、シンプルな白いものに統一した方がよいでしょう。

✣餐前小食より
✢香煎蘿蔔糕
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大根餅です。
ここのはクリームのように滑らかなのが特徴でした。
好みの問題かもしれませんが、大根の存在感が弱いのが残念。

✢蝦春巻
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エビが入った細くて小さな春巻です。
皮のパリパリ感がいい。

✢蟹子燒賣
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蟹の卵がのったシューマイです。
中に小さな海老が入っているという仕掛けがありました。
とてもおいしい。

✣燕窩醸鳳翼
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手羽先にツバメの巣を詰め込んで揚げたもの。
手羽先は確かにおいしい。
ツバメの巣は見た目に美しいし、客の欲望を満たす効果は大きい。
しかし、この店の看板メニューとも言うべきこの料理ですが、実を言えば香港では二番煎じ三番煎じの印象が否めない。
農圃の古法糯米雞(手羽先のもち米詰め揚げ)夏宮の脆皮炸釀鳳翼(手羽先のフカヒレ詰め揚げ)に続くもののような印象。
残念ながら、農圃のものを超えられるのは高級食材を使うことによる値段だけみたいです。

✣豉椒炒肚尖
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豆豉(トウチ)で味付けした野菜と内臓の炒めもの。
肚尖(豚の胃)は匂いもないし食べやすく、うまく処理しています。
料理名を見ていなければ、何も考えずに普通に食べてしまったかもしれません。

✣紅焼蘿蔔牛腩煲
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牛バラ肉と大根の醤油煮込み。
上海料理に通じるような味付けで、白いご飯に合いそうです。
確かにおいしいのですが、個人的には牛バラ肉と大根の煮込みなら清湯(クリアスープ)の方がよいと思います。
長い行列に並ばなければならないというハードルはありますが、すぐ近くにある九記牛腩の方が値段も安くて満足度が高いでしょう。
意地悪な見方をすると、九記牛腩との正面からの勝負を避けたのかもしれません。

✣脆皮妙齡鴿
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ハトのローストです。
これはひねったところは一切無く普通においしい。
ただし、家禽類であるということと、皮がパリパリであるという点で手羽先と重複しており、全体の構成としてはやや無理があるように思います。

✣富哥招牌炒飯
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おすすめのチャーハン。
「富哥」というのは「富兄貴」という意味で、シェフ鄭錦富氏のことでしょう。
枕詞の割にはあまりにも普通の炒飯です。
他の料理の邪魔をしないようにするためか、とても薄味に作っています。

✣家郷蒸龍躉腩
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ハタの切り身を蒸したもの。
切り身の上に「大頭菜」という野菜で作った漬物がのっていて、これが食感の上でもアクセントになっています。
好みの問題はありますが、魚を姿蒸しにするのではなく、あらかじめ切ってあるので食べやすいというのは確かです。
「家郷」というのは「我が家風」という意味。
案内してくださったガイドさんの説明によると、大頭菜は美食家を輩出していることで知られる順徳の食べ物とのこと。
大頭菜を使っていることを意味しているとしたらシェフは順徳の出身ということでしょうか?
ちなみにいらん心配ですが、燕窩醸鳳翼と同様、高価な料理と思われます。

✣上湯浸時蔬
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季節野菜のスープ浸し。
野菜は芥蘭(ガイラン)でした。
散歩で延々と坂を上がってきた嘉咸街では、よく見かけた野菜です。
高級店の気分を盛り上げるのであれば、個人的には豆苗にしてほしかったところです。

✣合時甜品
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季節のデザート。
この時は杏仁茶(アンニンのスープ)でした。
何の変哲もありませんが普通においしい。
途中でツバメの巣が出たわりにシメとしては地味なデザートでした。

以上、単価の安いものもありますが、ツバメの巣のように高い食材も使っているので、ここでの昼食の代金は…?
これ以上考えるのはやめましょう。

名人房は「どこにでもあるような普通の料理と少しひねってみた料理という二つの側面のあるレストラン」という印象でした。
普通の料理では福臨門を始めとする高級レストランには一歩及ばず、少しひねった料理ではかつて周中氏が活躍していた頃の旧凱悦軒の新派広東料理には遠く及ばず。
この店がミシュランガイドで二つ星を獲得できたのは、雰囲気と燕窩醸鳳翼だけの効果ではないかと思います。
もし燕窩醸鳳翼だけに頼っているとしたら、この店はリピーターを獲得することができず、早晩はやらなくなってしまうでしょう。
普通の料理はそれなりにおいしいのですから、目新しさに頼るのではなく、それをさらに研ぎ澄ましたものにしていけば、「名人」の名に恥じないレストランにしていくことができるはずだと思います。
もっとも、所詮は素人の私が考えるようなことですから、ここのシェフはそんなことは百も承知でしょうね。
飲食店の経営は、素人の私が考えるほど簡単にはいかないものかもしれません。【Ham】

名人坊高級粵菜:香港中環九如坊中環蘭桂坊酒店

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